不思議な日本の食文化

世界の料理の中で、日本食ほどバラエティーの幅が広く、さらにはその一つ一つの奥が深い料理は他にありません。

 

日本に存在する飲食店を見てみると、一般的な日本料理、寿司屋、そば屋、うどん屋、天ぷら店、焼き鳥屋、居酒屋、お好み焼き屋、鰻屋、カレー屋、ふぐ専門店、焼肉屋、トンカツ屋、鍋もの専門店、串揚げ屋、釜飯屋、牛丼屋…  などに分かれ、さらには数は少ないものの、鱧専門料理店、ちゃんこ鍋店、どじょう料理店、精進料理、懐石料理…  など、いくらでも出てきます。

 

そしてさらにその先を見てみると、ラーメンというひとつの料理が、それだけに特化した専門のお店になるだけではなく、地方色豊かに博多ラーメン、熊本ラーメン、喜多方ラーメン、札幌ラーメンなどと細分化しています。

 

あるいは寿司も、江戸前寿司、京寿司、関西鮨などと別れます。

 

日本のカレーについて、東京裁判で容疑者とされた日本軍人に対して全員無罪と主張したインドのパール判事の当時の通訳を務めたナイルさんが、日本でインドカレーレストランを始めました。

 

その息子さんである、G. M. ナイルさんがこう言っています。

 

「日本のカレーライスやカレーうどんは凄いものです。どう見たってインド料理じゃない。かと言って日本古来の料理でもない。僕からすれば『日印友好親善合体料理』です。日本人が素晴らしいのは、このカレーに代表されるように、何でも外国の文化を自分のものにして受け入れてしまうとことです」

 

これは海外のレストランでは考えられないことです。海外にある日本レストランは、前記のいくつかを併せ持っているので、それに慣れた外国人が日本に来て日本食の実態を知ると驚くことになります。

 

世界の料理の常識は、その国のレストランに行くと、その国の代表的な料理が普通は全て揃っています。それにも関わらずにメニューに出ている品数が少ないです。

 

専門店はあってもとても稀で、専門店の種類と数はかなり限られています。地方によって違う料理もありますが、その数もかなり限られていて2、3品です。

 

世界三大料理は、中華料理、フランス料理、トルコ料理と言われますが、そこに日本料理が入っていないのは、とても不思議なことです。多分それは、過去の日本は極東の端にあり、日本料理の実際が世界に広く知られていなかったことが理由だと思われます。

 

その証拠にも、ミシュランのレストランガイド日本版が始まると、東京は本拠地のパリをすぐに追い抜き、今日では東京がダントツの1位で、2位のパリと京都を大きく引き離し、国別でも日本がダントツです。

 

ミシュランの星付きレストラン数

1位の東京がパリの2倍の数でダントツ。2位がパリと京都、続いて大阪。

但し、元々の東京の飲食店数は16万軒で、この数字はパリの約12倍という背景があります。

 

特に日本料理に欠かせない、醤油、味噌、麹、ダシなどは、本家フランスの一流料理人に認められて普及が広まるばかりです。

 

日本人が毎日頻繁に使う味噌、醤油、日本酒、酢、味醂、鰹節、納豆、漬物などは全て発酵食品です。

 

西洋で発行のメカニズムが解明されたのは19世紀後半で、パスツールが酵母という微生物によってワインが出来ることを証明。

 

そのワインが発酵を終了した時点で加熱して、雑菌を殺すことでワインの腐敗を防ぐ殺菌法、パストゥリゼーションを開発。

 

但しそれは日本では日本酒作りでの「火入れ」と呼ばれて、室町時代(14世紀)の書物である「御酒之日記」に既に記述があります。

 

そのような日本料理の奥深さは、日本列島で料理が始まった歴史の古さも関係しているのではないでしょうか。

 

青森県の大平山元I遺跡から出た1万7千年前の土器には煮炊きに使ったと思われる炭化物が付着していて、それは食べるものの調理を始めた世界で最も古いものになります。

 

少し余談になりますが、日本人が食事を始める時に言う「いただきます」には、「あなたの命をいただき、それを私の命に繋げさせていただきます」という奥深い意味が込められています。

 

人間も例外なく生物の食物連鎖の中にいて、口にするものは全て今まで生きていたものです。

 

サバンナでカモシカを捕らえてその場で食べ始めるライオンのような生々しさはありませんが、人間が食べるものは屠殺される牛豚鳥の悲惨な姿は普通目にしませんが、それらを殺して食べることにおいては、サバンナのライオンと同じです。

 

魚も野菜も、人間に食べられる前までは間違いなく生きていました。

 

さらには、お百姓さんに申し訳ないとか、「勿体ない」と言い、食事を残さない習慣があります。

 

「勿体ない」という言葉はヨーロッパ言語にはないもので、ノーベル平和賞を受賞したケニアの環境副大臣、ワンガリ・マータイ氏は、「もったいない」は、リデュース(消費削減)、リユース(再使用)、リサイクル(再使用)、リペア(修理)の4つのRを表していると提唱して世界で発信しました。

 

日本の食文化には、そのような奥深さがあります。

 

 

 

 

 

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