日本は過去に、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦の四つの戦争を経験しています。
それは、ヨーロッパで起きた、信じられないほどの戦争の数と比べると、極端に少ないことが分かります。
それぞれの戦争に、それが起きた理由や背景がありますが、15世紀の末からの500年間の歴史を見ると、その四つの戦争が、全てつながって見えてきます。
ひとつひとつの戦争を個々に見るのは、木を見て森を見ないようなものですので、まずは是非一度、「15〜20世紀の歴史」をご覧ください。
日英同盟に基づく、イギリスから参戦を求められた日本は、第一次世界大戦において戦勝国の一国になりました。そして大戦後のパリ講和会議の国際連盟委員会において、日本は「国際連盟規約」の中に人種差別の撤廃を明記するべきという、「人種的差別撤廃提案」を主張しました。
戦勝国となり講和会議に出席した国々の内、次の国が賛成票を投じ、
大日本帝国 (2票)
フランス共和国 (2票)
イタリア王国 (2票)
ギリシャ王国 (1票)
セルブ・クロアート・スロヴェーン王国 (1票)
チェコスロバキア共和国 (1票)
ポルトガル共和国 (1票)
中華民国 (1票)
総計11票
次の国々が反対、もしくは保留の票を投じ、白豪主義のオーストラリアのヒューズ首相は署名を拒否し、帰国すると言って退室しました。
アメリカ合衆国 (1票) - アメリカ代表委員の一人ウィルソンは議長のため投票に不参加
イギリス (1票)
ブラジル合衆国 (1票)
ポーランド共和国 (1票) - ポーランドは倫理上の観点からではなく、条文に規定がない提案を前文に挿入することは規約の構成上問題があるという法理学上の観点から反対意見を述べている[25]。
ルーマニア王国 (1票)
総計5票
ですが、この提案に当時のアメリカ合衆国大統領であったウッドロウ・ウィルソンは反対で、事が重要なだけに全員一致で無ければ可決されないと言って否決にしてしまいました。
アメリカで黒人の大統領が生まれる今日の世界ではあり得ないことです。
国際会議において、人種差別撤廃という画期的な提案を明確に主張した国は日本が世界で最初でしたが、黒人奴隷などが当たり前であった国では到底受け入れ難い提案であったことは簡単に想像できます。
日本は中国でチンタオ周辺を占領していたドイツ軍を打ち負かし、多くのドイツ人捕虜を日本に連れて帰り、板東俘虜収容所という捕虜収容所では美談が生まれました。
又、地中海では佐藤皐蔵中将が指揮する第二特務艦隊が大活躍しました。
佐藤皐蔵中将
日英仏伊の連合国として戦っていた第一次世界大戦中、ドイツの潜水艦が猛威を振るい、最も危険でどの国もやりたがらなかった地中海での輸送船の護衛を佐藤皐蔵中将率いる第二特務艦隊が引き受けて、788隻の輸送船、75万人を護衛、7千人を救助、地中海の守護神と呼ばれる。
月刊誌「致知」2022年1月号、井上和彦、
ファイナンシャル・タイムズ、その後エコノミスト誌の東京特派員、そしてロンドン・タイムズ、ニューヨーク・タイムズの東京支局長を歴任した、ヘンリー・スコット・ストークス著「英国人記者が見た、連合国戦勝史観の虚妄」より。