オマーンはアラビア半島南端に位置する豊かな産油国ですが、2011年3月、東日本大地震で廃業の危機に瀕していた福島県南相馬市の落合工機に、オマーンの王族系企業から26億円もの浄水器の注文が入りました。
しかもその浄水器は、まずは被災地で使用した後で良いというものでした。
オマーンの東日本大地震への支援はそれだけではなく、LNG(液化天然ガス)の追加供給や、世界第四位となった約8億円の義援金(= 世界四位)がありました。
1937年の石油ショックの時も、中東諸国が次々と石油供給を止める中でオマーンは供給を続けてくれました。
実は1935年、当時のオマーン王タイムールはかねてから日本に憧れを抱いていて、王位を譲った後にお忍びで日本を訪れました。
この時に神戸の税関職員だった19歳の大山清子さんと知り合って一目惚れ、そして結婚することになりました。
2人の間には翌年に女の子ができましたが、大山清子(ブサイナ・ビント・タイムール)さんは23歳の若さで病死してしまいます。
元王タイムールは娘をオマーンに連れて帰り、ブサイナ妃(ブサイナ・ビント・タイムール)として王室に入れました。
そしてその子であるカーブース(前国王)が王位につくと、ブサイナ妃は晴れて国民に公表されました。
カーブース前国王は、「国づくりのお手本として日本を見習うべきである」と国民に呼びかけるほど日本を評価し、国民にも親日国が多くいます。
現在の国王であるハイサム・ビン・ターリク・アール=サイードはカーブース前国王のいとこになります。
「あの国」はなぜ日本が好きなのか「ニッポン再発見」倶楽部