工事が終わった後、運営の専門家がストップウォッチを持ってやって来て、秒単位まで意識した訓練を受けました。その結果、数時間遅れも珍しくないインドで、数分の誤差で運行されている唯一の交通機関となっています。
何時間遅れも珍しくないインドで、数分の誤差で運営されているインドの鉄道は、あてになる唯一の交通機関です。私たちがこのプロジェクトを通じて日本から得たものは、資金援助や技術援助だけではありません。むしろ最も影響を受けたのは、働くことについての価値観、労働の美徳です。
労働に関する自分達の価値観が根底から覆されました。日本の文化そのものが最大のプレゼントでした。今インドではこの地下鉄を、「ベスト・アンバサダー」(最高の大使)と呼んでいます。
西暦1500年前後に始まったポルトガルの支配から、最後のイギリスの支配後、1946年に独立するまで、インドは500年近くもの長い間、西洋人から奴隷のように非人道的な扱いを受けてきました。
インド独立の時に活躍したのは、日本ではあまり知られていないインド国民軍のトップ、スバス・チャンドラ・ボースです。彼の日本に関するコメントは、別のページにあるのでここでは省略しますが、当時日本軍は、インドの独立のためにイギリス軍を相手に一緒に戦いました。
イギリス軍は、インド人の兵隊と同じ車に乗らない、一緒に食事をしない、あげくの果てには鎖につないだりしましたが、日本人は同じ仲間として接しました。