日露戦争で日本がロシアに勝利したことで、日本の統治者たる明治天皇は、世界中から注目を浴びることとなりました。
そのなかでも、ひと際関心を寄せていたのがアラブ諸国をはじめとするイスラム圏でした。
当時、アラブ諸国ではスルタン主義体制(個人支配主義体制)といった支配者による専制政治が行なわれていたため、同じような体制だったロシアの敗北のニュースは、衝撃を持って受け入れられたのでした。
このことから、イスラム圏では「日本の皇帝を見習うべきだ!」と言う声が上がり、明治天皇を称賛する声が目立っていました。
1905年(明治38年)にトルコで発表された「ロシアと日本」という論文では、日本がもしイスラム国家になったら明治天皇を「カリフ」(イスラム国家の最高権威者)にすれば、イスラム諸国の団結が強固になるだろうと言う主張が展開されています。
その後、1921年(大正10年)3月にイスラム民族連盟大会の代表として、ヘヂアスの王族が来日した際、イスラム教徒代表者会議で明治天皇を盟主として仰ぐことが決議された旨が伝えられたのでした。
刀剣ワールド
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