エドゥアルド・スエンソン デンマーク人フランス海軍中将(1842~1921)
幕府が横須賀に作った造船所で働く日本人職人を見て...「ひょっとすると日本人の職人の方が西欧人より優秀かもしれなかった。日本のものよりはるかにすぐれている西欧の道具の使い方をすぐに覚え、機械類に関する知識も簡単に手に入れて、手順を教えてもその単なる真似事で満足せず、自力でどんどんその先の仕事をやってのける」
1866年11月26日の横浜の大火を見て...
「ここへ来てみると(噂は)まったく根拠のないことが判明した。日本人自身、西洋人よりはるかにひどい火災の被害をうけていて、それにもかかわらず、あっぱれな勇気と賞賛すべき犠牲心と沈着さを発揮して、西洋人の貴重品を無事に運びだす手伝いをしたのだった」
「日本人はいつに変わらぬ陽気さ呑気さを保っていた。不幸に襲われたことをいつまでも嘆いて時間を無駄にしたりしなかった」
「日本人の性格中、異彩を放つのが、不幸や廃墟を前にして発揮される勇気と沈着である。ふたたび水の上に浮かび上がろうと必死の努力をするそのやり方は無分別にことにあたる習癖をまざまざと証明したようなもので、日本人を宿命論者と呼んでさしつかえないだろう」
「日本人は誇り高く自尊心の強い性格で、侮辱に対して敏感、(中略) この鋭敏過ぎるほどの道義心が復讐心に結びついて、ハラキリという名で知られる異常なまでの自己犠牲をなさしめるのである」
「江戸幕末滞在記」 自著、長島要一訳 講談社学術文庫
「日本人はなぜ世界から尊敬され続けるのか」 黄文雄、徳間書店