フランス劇作家・詩人、駐日フランス大使(1868~1955)
「私がどうしても滅びて欲しくないひとつの民族がある。それは日本人だ。あれほど古い文明をそのままに今に伝えている民族は他にはない。日本の近代における発展、それは大変目覚しいが、不思議ではない」
これはフランスがドイツと戦っていた時に発せられた言葉です。日本はドイツと同盟国であったので、フランスの敵でもありました。
「日本は太古から文明を積み重ねてきたからこそ、明治に入り欧米の文化を急速に輸入しても発展できたのだ。どの民族もこれだけ急な発展をするだけの資格はない。しかし、日本にはその資格がある。古くから文明を積み上げてきたからこそ資格がある。彼らは貧しい。しかし高貴である」
クラウデルさんは、子どもの頃に姉から葛飾北斎や喜多川歌麿について教わり、日本に強く惹かれて猛勉強を重ねたそうです。
その結果、1890年にフランスの外交官試験にトップで合格しました。
アメリカ、清国、オーストラリア・ハンガリー帝国、ドイツ、イタリア、ブラジル、デンマークの大使を歴任した後に、ようやく日本に赴任しました。
その頃の雑誌、「エクセルシオール」のインタビューにに次のように答えています。
「日本は、極東最大の陸海軍を持つ強国というだけではなく、非常に古い文明を持ち、それを見事に近代文明に適応させた国であり、偉大な過去と偉大な未来を併せ持つ国です。私はフランス代表としてミカドの国に赴任することを、この上ない名誉と思っています」
日本での任期を終えて帰国した後、1934年に20世紀舞台演劇史上最高の作品といわれる「火刑台上のジャンヌ・ダルク」を書き、ジャンヌ・ダルクの人気を不動にしました。
「日本人はなぜ世界から尊敬され続けるのか」
黄文雄
徳間文庫
誰も言わないねずさんの世界一誇れる国日本
小名木善行
青林堂