漢字

日本語の漢字について

 

日本語は、中国から伝わったとされる漢字とひらがな、カタカナで構成されています。

 

ひらがなとカタカナの存在は、中国の読みにくい漢字だけの文章をマイルドに仕上げています。

 

その漢字ですが、実は日本で生まれた感じが多く中国で使われている事実をご存知でしょうか?

 

南京大学文学部教授の王彬彬氏(1962年~、肩書は当時)の「中国語の中に非常に多い“日本語外来語”」という論文に下記のような一節があります。

 

この方は、中国の近現代史、文化批評、文化史を主に研究されている学者です。

 

「現代中国語の中の“日本語外来語”は、驚くほどの数がある。統計によれば、わたしたちが現在使用している社会・人文科学方面の名詞・用語において、実に70%が日本から輸入したものである。

 

これらはみな、日本人が西洋の相応する語句を翻訳したもので、中国に伝来後、中国語の中にしっかりと根を下ろしたのである。

 

わたしたちは毎日、東洋のやり方で西洋の概念を論じ、考え、話しているのだが、その大部分が日本人によってもたらされたものである。

 

(中略)最後にわたしは言いたい。わたしたちが使用している西洋の概念について、基本的には日本人がわたしたちに替わって翻訳したものであり、中国と西洋の間には、永遠に日本というものが挟まっているのである。」(日本語訳:松永英明氏)

 

また、上海外国語大学日本語学部教授の陳生保氏(1936年~、肩書は当時)の「中国語の中の日本語」という論文の中にも下記のような一節があります。

 

「共産党、幹部、指導、社会主義、市場、経済という文は、 すべて日本製漢語語彙でできているといったら、 これらの語彙をさかんに使っている普通の中国人は信じかねるだろうし、 これらの語彙の原産地の日本人も、 たぶん半信半疑だろうが、 しかし、 それは事実である。

 

(中略)日本語来源の語彙のほとんどは現代生活に欠かせない基本的概念であり、使用頻度の高いものであり、しかも造語力のあるものが多い、ということを考えると、現代中国語における日本来源語の影響が非常に大きいといわねばならない。」

 

西洋文明を漢字化した日本人

 

日本では江戸時代末期以降、西洋から多くの思想、学問を導入し、西洋の知的抽象語を既存の日本の概念に置き換えるのではなく、漢字を使ったまったく新しい言葉に置き換えました。

 

当時の日本は、260年間もの長い間の鎖国の扉を西洋にこじ開けられました。

 

日本の周りの国々は、西洋で生まれた蒸気機関や、鉄でできた軍艦、破壊力のある大砲などの前になすすべもなく、どの有色人種の国も植民地になってしまっていました。

 

危機感を覚えた幕末から明治の日本人は、遅れを取り戻せとばかりに西洋に学びました。

 

幕末期に150人、明治期に2万4700人もの日本人が世界に留学したそうです。

 

そして20世紀初頭、日清戦争で日本に負けた清国は遅れを取り戻すべく、合計61,230名という数多くの留学生を日本へ送り、多数の日本の書物を中国語へ翻訳しました。

 

あの有名な魯迅もその中の一人です。それらの留学生が日本で生まれた新しい言葉を中国へ伝え、それが現代の中国に今でも脈々と受け継がれているのです。

 

たとえば下記はそのほんの一例です(Wiktionary 和製漢語より)

 

 

暗示、意識、遺伝、入口、右翼、運動、栄養、演出、演説、鉛筆、温度、階級、会計、概算、回収、会談、概念、解放、科学、活躍、化膿、環境、関係、間接、簡単、幹部、議員、議院、議会、企業、喜劇、気質、基準、規則、基地、規範、義務、共産主義、協定、業務、教養、共和国、記録、金額、銀行、金融、空間、偶然、組合、軍国主義、計画、計器、景気、経験、経済、経済恐慌、警察、芸術、系統、経費、劇場、化粧品、決算、権威、現役、現金、原作、現実、現象、原則、建築、原理、講演、効果、抗議、工業、広告、講座、交際、光線、交通、肯定、公認、高利貸、効率、小型、国際、克服、故障、固定、債券、財閥、債務、作者、作家、雑誌、左翼、紫外線、時間、茂樹、施行、施工、市場、指数、思想、実感、実業、失効、実績、質量、失恋、指導、支配、資本、社会、自由、宗教、集団、終点、就任、主観、出発点、出版、蒸気、乗客、商業、証券、条件、常識、承認、消費、情報、私立、資料、進化、人権、信託、新聞記者、人民、信用、心理学、侵略、制限、政策、清算、生産、精神、性能、積極、絶対、接吻、繊維、選挙、宣伝、総合、想像、速度、体育、退化、大気、代議士、対局、対象、体操、代表、立場、棚卸、単位、探検、単純、蛋白質、知識、抽象、直接、定義、出口、哲学、電子、電車、伝染病、電波、電報、展覧会、電流、電話、動員、投資、独裁、図書館、内閣、内容、日程、任命、熱帯、年度、能率、背景、派遣、覇権、場所、発明、反響、反射、反対、反応、悲観、悲劇、美術、必要、否定、否認、批評、備品、評価、標語、広場、舞台、物質、物理学、不動産、文化、文学、分子、分析、分配、文明、方案、方式、放射、方針、法人、法則、方程式、法律、保険、母校、保障、本質、漫画、蜜月、密度、民族、民放、無産階級、明確、目的、目標、唯物論、輸出、要素、拉致、理想、理念、了解、領海、領空、領土、理論、倫理学、類型、冷戦、歴史、労働組合、労働者、論理学

 

 

一般社団法人 日本翻訳連盟 元理事、元副会長、丸山均さんのウェブサイトより

https://www.jescorp.co.jp/wp/translation-industries/modern-chinese/

 

 




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