万葉集
7世紀の後半から、8世紀の後半に、4.500余首ほどで編まれた日本最古の和歌集です。上は天皇、貴族から始まり、下は防人、遊女まで、北は北陸から、南は九州まで、貴賎上下男女の区別無く歌を詠んでいます。
つまり万葉の時代から、日本人は詩歌の前にみな平等であり、芸術性感覚を持っていました。
そしてそれはインド最高峰の詩人、思想家ラビンドラナート・タゴールに、次の発言をさせています。
「日本人は、美の王国を全面的に手に入れた」
「この国では、美意識があまりにも豊かで、いたるところに見受けられる」
「日本人の眼と手は、いずれも、自然から美の手ほどきをうけたのである」
西暦500年から1500年までの十世紀の間に、日本一国で生まれた文学作品は、同じ期間に全ヨーロッパで生まれた文学作品を質および量の両面で圧倒しています。
その期間に生まれた英文学、フランス文学、ロシア文学などをひっくるまて、いくつの作品をあげることができるでしょうか?
その期間に日本では、万葉集、古今和歌集、新古今和歌集、源氏物語、平家物語、方丈記、徒然草、太平記... と、限りなく作品が出てきます。
しかも、万葉集などは一部のエリートのみのものではなく、防人などの庶民の歌が含まれているのです。