GOSAT(愛称:いぶき)は、主要な温室効果ガスである二酸化炭素とメタンの濃度を宇宙から観測することを専門とした、世界初の人工衛星です。
GOSATシリーズとは、気候変動に関する科学の発展への貢献と気候変動政策への貢献(脱炭素社会開発の推進)をミッション目的とした衛星シリーズ。現在運用中のGOSAT(2009年打上)およびGOSAT-2(2018年打上)に加え、現在開発中のGOSAT-GW(2023年度打上予定)で構成。
温室効果ガス観測技術衛星ミッションは、宇宙基本計画に則り、地球規模課題の解決に安全・安心で豊かな社会の実現のため、環境省とNIES、JAXAが共同で実施しています。
平成21年1月23日の打ち上げ以来、11年経過した現在も観測を続けています。
・全球にわたる二酸化炭素やメタンの分布や、吸収・排出量、季節変動や年々変動について、GOSATが観測したデータを分析することにより、明らかにしてきました。
・これらの情報は、気候変動科学への貢献の他、気候変動政策への貢献に関わる情報として利用されています。
・令和元年に京都で開催されたIPCC第49回総会で承認された「IPCC温室効果ガス排出・吸収量算定ガイドライン(2006) の2019年改良」では、GOSATの活用事例が多く紹介されるとともに、GOSAT-2への期待が示されています。
・GOSATシリーズがスペースデブリとして滞留することがないようにするため、令和2年3月に省内に検討チームを立ち上げ、打ち上げから10年以上経過したGOSAT1号機のスペースデブリ化の防止対策について検討を行っています。令和2年10月に中間とりまとめを行いました。今後関係者と協議をしていきながら、さらに検討を進めていきます。
・GOSATの後継機であるGOSAT-2(愛称:いぶき2号)は、平成30年10月29日に打ち上げられ、平成31年2月より定常運用を開始しています。
・GOSAT-2は、GOSATより二酸化炭素とメタンの濃度観測精度を向上するため、大都市など大規模排出源を集中して観測する機能の強化のほか、雲のない地域を自動的に探して観測する機能を新たに追加しています。
・更に人間活動によって排出された二酸化炭素を特定する能力を向上するため、一酸化炭素の同時観測を可能にしました。
・GOSAT-2は、パリ協定に基づく各国の気候変動対策の実施、特に2023年の第1回グローバル・ストックテイクへの貢献を目指しています。