世界最長のメッシナ海峡大橋の建設工事
現在の世界最大のつり橋は、神戸と淡路島を結ぶ明石大橋ですが、それを2015年に抜いて世界一となる予定のイタリアのつり橋も日本製です。
石川島播磨重工(IHI)は、イタリア最大のゼネコンであるインプレジーロ社(所在地:ミラノ)をグループリーダーとする元請け共同事業体(特定目 的施工会社)の一員として、メッシナ海峡公団から「メッシナ海峡大橋建設工事」を受注しました。JVの受注総額は日本円で約5,300億円です。
このうちIHIは、吊り橋全体のエンジニアリングをはじめ、架設するにあたっての重機等の供給および技術員派遣を含むケーブル建設工事、橋桁製作の一部を担当する予定です。今後は詳細設計に入り2015年に最終完成する予定です。
メッシナ海峡大橋は、イタリア南部のカラブリア州とシチリア島(シチリア自治州)を結ぶもので3,300mの中央径間を有し、現在世界第1位の明石海峡大 橋(中央径間 1,991m)を抜く世界最長の吊り橋です。
また、主塔の高さも373mであり、明石海峡大橋の282mを抜き主塔高さでも世界最高になり ます。メッシナ海峡大橋は、道路・鉄道併用の橋であり、シチリア島及びカラブリア州の経済の発展・インフラの開発及び雇用の促進への貢献が期待されます。
IHIは、海外においてコンゴのマタディ吊橋、トルコの第2ボスポラス吊橋をリーダー企業として建設したのみならず、カザフスタンでも吊橋・道路の建設工 事をフルターンキーベースで単独完成させた実績を持ちます。
また最近では、米国で約40年ぶりに建設されたカルキネス吊橋の建設工事のうち大型鋼製桁の製 作・輸送工事を行い、プロジェクトの早期完成にも貢献し、また品質、安全、およびコストの面で施主であるカリフォルニア州交通局からも高い評価を受けまし た。
IHIは、今回のメッシナ海峡大橋の受注により、改めてその実績と高い技術力を世界に示すことになりました。今後とも引き続き、海外での橋梁受注活動を積極的に展開していく方針です。
<メッシナ海峡大橋の主要目>
中央径間: 3,300m(全長:5,070m)
幅 員: 60m{鉄道2車線+道路4車線(片側2車線)}
塔 高: 373m