識字率

江戸時代、武士の子供たちは藩校で、そして庶民の子どもたちは寺子屋で学びました。当時の寺子屋の数は、日本全国で1万4千もありました。平均しても1都道府県当たりに300軒です。

 

当時の人口は約3千万人。現在の小学校の数は2万3千程度です。つまり、現在は約5千人に1つの小学校がありますが、当時は、約2千人にひとつの寺子屋があったことになります。

 

さらに寺子屋の授業は、朝の8時から午後2~3時まで。しかも休みは月3日のみ、夏休みなどは無しで年間休日はわずか50~70日程度。現在の小学生は、年間150日は休むので、当時の方がはるかに勉強をしていたことになります。

 

日本が開国してすぐに訪問してきた外国人の多くが、日本人のその識字率に驚いていますが、それもそのはず、日本のそれは50%もあったそうですが、その頃ヨーロッパで最も識字率が高かったとされるロンドンでさえ、当時わずか20%でした。つまり、まず間違いなく世界一。

 

 

 

 

日本語の存続を守った圧倒的な識字率の高さ

 

1945(昭和20)年、大東亜戦争に敗れた日本は、母国語を失いかねない危機に見舞われた。戦争中、玉砕するまで戦い抜いた日本人を見たアメリカ人は、「日本人は間違った情報を伝えられていて、正しい情報を得ていないに違いない。

 

なぜなら、新聞な どがあのように難しい漢字を使って書いてある。あれが民衆に読めるはずはない。事実を知らないから、あんな死に物狂いの戦い方をするのだ。だから、日本に 民主主義を行き渡らせるには、情報をきちんと与えなければいけない。そのためには漢字という悪魔の文字を使わせておいてはいけない」と考えた。

 

『日本語 の教室』 大野晋 岩波新書

 

 

日本語の改革を初めに提起したのは、GHQの民間情報教育局(CIE)のキング・ホール少佐だった。彼は、「漢字はエリートと大衆の調整弁であり、漢字の持つ特異性によって情報はコントロールされ、民主主義は広がらない」と考えていた。朝 日新聞社などの新聞社も「漢字を廃止してローマ字に」と唱えた。

 

当時の新聞は活版印刷で、かなや漢字の活字をひとつずつ埋め込んでいく作業量が多く、コス ト削減のために少ない数で済むアルファベットを採用したかったからだ。また、戦前から存在した日本語をかな文字やローマ字にしようと考える勢力もこの動き に呼応し、日本語は危機を迎えた。「フランス語を日本の公用語にせよ」という暴論まで日本人作家からとびだした。

 

1946(昭和21)年3月、マッカーサーの要請により、アメリカ教育使節団が来日した。使節団はアメリカの教育制度の専門家27人だったが、日本の歴史文化に精通していたわけではなかった。25日ほどで日本を視察し、報告書で「日本語は漢字や かなを使わず、ローマ字にせよ」と勧告した。「ローマ字による表記は、識字率を高めるので、民主主義を増進できる」というのが、彼らの考えだった。

 

1948 年8月、CIEは「日本語のローマ字化」を実行するにあたり、日本人がどれくらい漢字の読み書きができるか調査を行なった。調査地点は270ヶ所の全国の 市町村で、15歳~64歳の1万7千百人が調査対象になった。調査対象となれば、炭焼きのお婆さんでもジープで連れ出して日本語のテストをさせたという。


調査の結果、テストの平均点は78.3点で、日本人は97.9%という高い識字率を誇っていることが判明した。テストで満点を取った者は4.4%で、ケアレ スミスで間違えたのではないかという者で満点と認めてもよいという者が1.8%いた。合計すると6.2%(約500万人)が満点という好成績だった。

 

CIE はこの結果に驚き、日本の教育水準の高さに感嘆し、「日本人の識字率の高さが証明された」との判断が大勢を占めた。CIEの教育・宗教課長だったハロル ド・ヘンダーソンは日本の禅や詩歌を愛する知日家で、ローマ字化推進論者のホール少佐の意見を抑えた。ホールがヘンダーソンの後継者として課長になると見 られていたが、他のポストに移され、日本語のローマ字化の企みは潰えた。

 

「アメリカ教育使節団報告書」は、教育勅語の廃止、六三制義務教育、PTA導入、 教員組合の組織の自由などを勧告した。戦後の日本の教育はこの勧告に基づいて行なわれていったが、唯一、実現されなかったのが「日本語のローマ字化」だった。圧倒的な識字率の高さが母国語の存続を守ったのである。

 

『国語施策百年史』文化庁、ぎょうせい

引用文献・資料

    『大江戸ボランティア事情』(石川英輔・田中優子著、講談社)
    『「奇跡」の日本史』(歴史の謎研究会編、青春出版社)
    『日本絶賛語録』(村岡正明著、小学館)
    『エルベ号艦長幕末記』(ラインホルト・ヴェルナー著、新人物往来社)
    『ニコライの見た幕末日本』(ニコライ著、講談社学術文庫)
    『シュリーマン旅行記 清国・日本』(ハインリッヒ・シュリーマン著、講談社学術文庫)
    『蒼氓の92年 ブラジル移民の記録』(内山勝男著、東京新聞出版局)
    『日本語の教室』(大野晋 岩波新書)
    『国語施策百年史』(文化庁、ぎょうせい)

 『日本賛辞の至言33選』(ごま書房)

日本の世界一

ganbarenihon – ブログ ネットdeデュッセル

自分探しの旅? 何ですか、それって? (Wed, 21 Apr 2021)
ドイツのある日本食レストランでは、ワーキングホリデー(31歳まで)でドイツに来る… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

江戸時代の鎖国の理由 (Tue, 20 Apr 2021)
など、普通は知らないですね。 教科書にも出ていないと思うので。 日本ファン日本人… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

和牛って、本当に美味しいの? (Sun, 18 Apr 2021)
ドイツで和牛を売っています。 普段売っている岐阜の飛騨牛、飛米牛に続き、先日は茨… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

身を美しくする躾 (Sat, 17 Apr 2021)
躾という漢字は、日本で作られた国字だそうです。 漢字は中国で紀元前1300年頃に… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

出会い (Thu, 15 Apr 2021)
以前ある知り合いから、一時帰国の際に鍵山秀三郎さんに会ってみたいと言われました。… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

海外育ちに必要な日本語教育 (Wed, 14 Apr 2021)
は、日本と同じようにはいきません。 「おはよう」なら「おはようございます」、「あ… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

北里大学をつくった、北里柴三郎さんをご存知でしょうか? (Tue, 13 Apr 2021)
月刊誌「致知」12月号からです。 ノーベル賞、生理学・医学賞受賞者、大村智、北里… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

ありがとうと言うか、言われるか (Mon, 12 Apr 2021)
「ありがとう」と言うのと、言われるのではどちらがお好きでしょうか? 普通は言われ… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

ウイグルの残虐行為を放っておいてはいけない理由 (Sun, 11 Apr 2021)
どういう理由か分かりませんが、日本の左派も政府もウイグル問題に目をつむるそうです… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

日本人の気配り、気遣い、ドイツ人との付き合い (Thu, 08 Apr 2021)
ドイツに住んで42年が経ちました。 途中で1年近くイギリスにいましたが、それでも… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

左翼小児病 (Wed, 07 Apr 2021)
数年前に、虎ノ門ニュースの沖縄の報道をこのブログで紹介しました。 そうすると、左… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

物をあげるのと、もらうのでは、どちらが良いでしょうか? (Tue, 06 Apr 2021)
物をいただくのは嬉しいことです。 でも、あげるのも気持ちが良いものです。 では、… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

Das nächste Kanken Kanji Test in Düsseldorf bei VHS am HBF ist am 20. Juni 2021/Anmeldeschluss 20.Mai 2021 – 木、林、森/Ki, Hayashi, Mori – (Mon, 05 Apr 2021)
Es gibt 2 mal im Jahr „Kanken Kanji Test… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

生まれてきた理由 (Mon, 05 Apr 2021)
という質問に対しての、世界三大宗教のひとつである、仏教、お釈迦様の答えは、何も無… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

マスクは誰のために? (Wed, 31 Mar 2021)
日本では以前から当たり前だったマスクが、今日では世界でも当たり前になりました。 … 続きを読む ›
>> Mehr lesen

メルケルさん、ついに国民に謝る (Wed, 24 Mar 2021)
来週末、ドイツはイースターホリデーです。 日本で言えば、ゴールデンウィークみたい… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

9000km離れた日本から届いたお手玉5個 (Tue, 23 Mar 2021)
パッチングワーカーさんの奥様は、身体の具合が悪くてとても苦労されています。 それ… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

愛国心 (Mon, 22 Mar 2021)
「ぼくには愛国心なんてまったくない」 という出だしで始まるWildsumさんのブ… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

メルケルさんとバイデンさんの共通点 (Sat, 20 Mar 2021)
うちの家内曰く、2人には共通点があるそうです。 今まで私は、家内のことをボスと呼… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

ドイツのシュトゥットガルトで起きた、対コロナの政府対応施政に対するデモ (Thu, 18 Mar 2021)
ドイツのシュトゥットガルトでデモが起こりました。 コロナに対する今の馬鹿げた施政… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

マニュアルのお話し、その3 (Wed, 17 Mar 2021)
一昨日の投稿、マニュアルに関すること(その1)で、makkumakkuwanwa… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

マニュアルがないと、何をしたら良いのか分からなくなってしまった日本人? (Tue, 16 Mar 2021)
意味もなく?マニュアルを求められたことを昨日書きました。 不要な電気の使いっぱな… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

コロナ禍こそ、ピンチはチャンス (Sat, 13 Mar 2021)
ピンチはチャンスと言います。 本当でしょうか? 本当です。 単なる見方の違いです… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

311、ついに10年が経ちました。 (Thu, 11 Mar 2021)
あの時のあの映像には私も息を呑みました。 毎朝釘付けで見て、どういうわけか号泣し… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

コロナ禍の最適な過ごし方 – Never give up (Mon, 08 Mar 2021)
諦めてはいけません。 山あれば谷あり 晴天の日もあれば、嵐の日もあります。 浮き… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

ドイツが住みやすい理由 (Sat, 06 Mar 2021)
ドイツに一度は住んだことがある人は知っています。 ドイツは住みやすい国であること… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

雛人形は、天皇皇后両陛下 その2 (Thu, 04 Mar 2021)
雛人形は、天皇皇后両陛下だということを知っている人は多かったのですね。 今頃にな… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

東大は真っ赤っか (Tue, 02 Mar 2021)
虎ノ門ニュースの解説者の1人に藤井厳喜さんという人がいます。 ハーバード大学を出… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

中国は本当に悪者? (Sun, 28 Feb 2021)
中国のウイグル、チベット、モンゴルなどでの蛮行が明るみに出てきています。 いえ、… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

雛人形は天皇皇后両陛下 (Sat, 27 Feb 2021)
うちのボス( = カミさん = 神様) は古風?なところがあって、毎年その時期に… 続きを読む ›
>> Mehr lesen

Druckversion Druckversion | Sitemap Diese Seite weiterempfehlen Diese Seite weiterempfehlen
もっと良く知ろう、本当の日本を 当時のGHQ 政策(洗脳) により、本当の日本・日本人のことを知らない日本人、そして世界の人々が多過ぎる... もし本当の日本・日本人を知ると、日本人は誇りを持てる(そうさせないためのGHQ 政策でした。日本が強すぎました...)... 誇りを持てば自身につながり、襟を正せる...  自殺者80人以上/1日、親殺し、子殺しは異常です。 襟を正すと修身(道徳) の大切さが理解できるようになる... 人間が生きていくためのバックボーンである修身が重んじられると、日本が良くなる... 世界に影響する日本が良くなると、「和を以って尊しと為す」 が世界に広まる... 「和を以って尊しと為す」 が世界に広まると、個人主義が減って世界平和につながる...