ミャンマーで貢献・活躍した日本人

井本勝幸

戦後70年を約2年後に控え、ミャンマーに眠る日本人戦没者の遺骨収集活動が大きく動き出そうとしている。長期にわたる内戦のため調査が手つかずだった少数民族の支配地域から日本側に協力の打診があったのがきっかけだ。背景には、ミャンマー政府と少数民族勢力間の和平実現に奔走する日本人の存在があった。

 

福岡県朝倉市の寺院の副住職だった井本勝幸氏(48)が、ミャンマー和平支援のため少数民族地域に単身飛び込んだのは2011年1月。これまでタイ・カンボジア国境の難民支援などに関わった経験もあり、ミャンマー国内の紛争に心を痛めていた。利害関係がない第三者の立場を生かして各勢力の指導者を訪ね歩き、主要11少数民族勢力でつくる「統一民族連邦評議会(UNFC)」の同年創設と発展に貢献した。


少数民族側は今月、UNFC未加盟の勢力も含め北部カチン州ライザで会合を開き、政府側が示した全土停戦提案への対応を協議。全グループが同一歩調を取ることで合意した。その後の政府側との交渉はまとまらなかったが、12月に両者は再びテーブルに着く。井本氏はUNFCの相談役として和平交渉に深く関わり、農場経営などの民生支援も行っている。

 

少数民族の各勢力には、仏教徒のほかキリスト教徒やイスラム教徒もいるため、28歳で出家した井本氏だが仏教徒の立場を捨てた。タイの寺院で「ミャンマー和平が実現するまで僧侶の立場を辞す」と誓ったという。

 

そんな井本氏に対して、少数民族側が「恩返しがしたい」と旧日本兵の遺骨調査への協力を提案してきたのは昨年秋。現地ではいまだに旧日本軍の「三八式歩兵銃」を使っている勢力もあり、彼らにとって旧日本軍は身近な存在だった。埋葬された場所を正確に把握している古老たちは高齢化しており、調査は今が最後のチャンスでもある。

 

「ジャングルでお年寄りに会うと、『お前は日本人か。飯を食わせるから俺の家に来い』といわれる。少数民族の対日感情は悪くない。祖先の英霊に感謝ですね」と井本氏は話す。遺骨の調査にはUNFCのほか、タイが拠点の「タイ日教育開発財団」と日本国内の支援団体「ミャンマー/ビルマご遺骨帰国運動」などが協力。遺骨調査に当たるミャンマー少数民族各派メンバーたちへの研修もすでに行われている。今後UNFCなどの調査で場所を特定し、発掘作業などは日本の厚生労働省に引き継ぐ。

 

調査や研修費用は民間からの寄付でまかなわれている。寄付の方法などは同運動のホームページ(mbr-rtj.net)に掲載されている。(西見由章)

 

■ミャンマーでの旧日本兵の遺骨収集 第二次大戦でビルマ(現ミャンマー)は、蒋介石率いる中国の国民政府に、米英が支援物資を送り込む「援蒋ルート」が通っていたことなどから激戦地に。日本人戦没者は約18万人とされる。ミャンマー軍事政権支配地域では遺骨の調査と発掘が進められたが、少数民族支配地域では調査ができないままで、未帰還の遺骨は約4万5千柱とみられる。

 

 

 

出典元: 産経ニュース(http://www.sankei.com/world/news/131125/wor1311250006-n1.html)。

 

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