編み機

無縫製ニット「ホールガーメント」(WG)は、島精機製作所が開発した横編機および製品の総称で、縫製工程無しで糸から立体的な横編み製品ができ上がる。

 

「東洋のマジック」とも呼ばれた画期的な発明で、糸さえあればすぐに生産できるため、少量・短納期という消費地型生産も可能にする。

 

 最近では一畳ほどのスペースで生産できるコンパクトなWG横編機「マッハ2XS103」も打ち出しており、店頭での受注生産にも対応した仕組みを提案している。

 

WGは、縫製工程が不要で、ドレープ感のあるセーターなど立体的な編み立てができる。縫い代がないことで着心地も良く、ニットのドレスといった製品でも軽く仕上がる点も特徴だ。

 

スマートウェアやアウトドア用のインナーなどにも採用されている。糸からすぐに製品ができ上がることで少量・短納期生産にも対応。

 

95年の開発以来、様々な改良が加えられ、生産スピードやデザインの幅などが向上。現在では世界中の多くのアパレルメーカーで採用されている。

 

 従来の横編みセーターは、前後の身頃や袖、襟といったパーツを別々に成形して編み立てた後、縫製する必要がある。

 

セーターでは主にリンキングと呼ばれる縫製手法が用いられ、編み目を一つずつリンキング機にかけていくことから、集中力と目の良さが求められ、縫製工不足といった問題も起きている。

 

 これに対してWGは、袖と身頃をそれぞれ袋状に裾部分から同時に編み出し、目移しをすることで袖と身頃をくっつけ、肩口や身頃、襟部分などを編み立てていくことで1着の製品ができる。

 

デザインにもよるがシンプルなニットトップだと30分ほどで1着が仕上がるなど、より効率的な生産を実現している。

 

デザインシステム「SDS‐ONE・APEX」シリーズとの連携も特徴的だ。デザインシステムで作成したバーチャルサンプルをもとに実際のサンプルを作らずに生産企画を練り、直接生産に持っていくこともできる。

 

サンプル作成にかかる時間やコストを大幅に削減し、欲しい時に欲しい量だけをスピーディーに追加生産できる。在庫ロスも削減できるなどサステイナブル(持続可能)な物作りにも貢献する。

 

 消費地型生産に寄与する仕組みとしても期待されている。近年開発したコンパクトサイズのWG横編機マッハ2XS103は、売り場でニット製品を生産することも可能。

 

デザインシステムとの組み合わせで、店頭でのオーダーメイドにも対応する。

 

 また、ECとの親和性も高い。デザインシステムで作成したバーチャルサンプルをウェブ上で披露し、実際の商品を作らずに先行受注し、受注状況を確認してから作ることで、売れ残りをなくし、正価での消化率を高めることに成功した例もある。

 

 3Dプリンターのように立体的なニット製品が生産できるというメリットを生かし、最近ではスポーツやインテリア、メディカルといった用途開拓にも取り組んでいる。

 

靴のアッパー(甲被部分)やコンプレッション(着圧)インナー、着用者のサイズに合わせたメディカルサポーターなど、その可能性を広げている。

 

繊研新聞社

https://senken.co.jp/posts/great-technology-shimaseiki-2

 

 

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